IRISプロジェクトについて

全期間を通じた研究交流目標

地球社会は、技術・情報・言語の共有化が急速に進み、異文化間での交流機会が増している。その一方で人類社会は多様化し、歴史文化伝統に基盤をおいた集団的アイデンティティは強まり、文化的多様性の重要さが指摘されている。長い人類史において、文化的多様性は、生物学的に一つの種であるホモ・サピエンスが多様な地球社会に適応する中で創造した人類社会を特徴付け歴史文化遺産である。この文化的多様性を維持していくために、その多様性の基礎となっている各地域の歴史文化伝統の理解が不可欠である。その具体的な取り組みとして、各地域社会が直面する文化理解をめぐる現代的な課題の把握と、課題解決へ向けた学術的な議論の場を設け、比較研究を可能とする先端的研究拠点の形成が求められている。

本事業では、世界各地の先住民文化伝統、先住民歴史文化遺産、その今日的課題に焦点を当て、人類社会の文化的多様性の形成過程の解明を目指す。5年間の事業期間を通じて、欧米、アジア、オセアニア各地の海外研究拠点と連携した学術ネットワークを国内唯一の先住民研究センターである北大アイヌ・先住民研究センターに構築する。また若手研究者育成のためのワークショップと共同研究を展開し、各国のリーディングスカラーと連携した若手研究者育成のための国際共同教育研究システムを構築する。

Activities

共同研究

共同研究1: 文化的多様性の歴史と先住性
共同研究2: 人類の文化的行動としての移住・適応・統合

セミナー

研究者交流

海外拠点に所属する国際的な卓越した研究者を招へいし、ワークショップを開催する。また日本側研究者に海外拠点での研究滞在の機会を提供し、研究交流を促進する。若手研究者に特化した派遣プログラムを本事業の中核に位置付け、国際共同研究と海外での研究指導を受ける機会を創出する。若手研究者の派遣プログラムは、長期(1ヶ月から3ヶ月程度)と短期(1ヶ月未満)の二つのプログラムを設定し、海外機関への訪問、共同研究の機会を提供する。さらに海外の若手研究者を育成プログラムと連携した共同研究教育プログラムを構築し、海外の若手研究者を日本側研究拠点へ受け入れ、研究交流を推進する。

ページ最上部へ